Introduction  

最近のヨーガ・ブームには圧倒されてしまいますが、ヨーガが流行るのは当然の成り行きのようにも思います。忙しい現代を健全に生きて行くのに必要な知恵が凝縮されていますから。。。

ヨーガはインドの伝統文化に伝承されて来た心身統合の方法論です。ヨーガの歴史は古く、インダス文明の遺跡にもヨーガの存在が示唆されています。古代から現代に至るまで、師匠から弟子へと脈々と継承されて来た知識と技術がヨーガのリソースを形成しています。

現代まで伝承されているヨーガの枠組みを決めているのは、紀元前に成立した「ヨーガ・スートラ」です。また、中世に発展した「ハタ・ヨーガ」の伝統では、多種多様な技法が体系化されています。近代になるまでは、ヨーガはインド哲学的で宗教色の強い「自己探求」の修行法でした。

近代に入り、ヨーガの伝統的な技法に現代人が直面する様々な問題を解決する糸口があることが、科学的な研究により開明されて来ました。特にヨーガはストレスが引き起こす自律神経系の乱れを修正し、免疫力や自然治癒力を高めるのに有効なことが実証されています。

ヨーガと一般社会が出会うチャンネルが開かれたのは1920年代です。ヨーガの科学的研究の草分けである「スワーミー・クヴァラヤーナンダ(1883〜1966)」が、1924年にインド・マハーラーシュトラ州のロナウラに「カイヴァリヤダーマ・ヨーガ研究所(Kaivalyadhama Yoga Institute)」を設立したことが大きな出来事です。ヨーガを学術的に扱う世界で初めての研究施設でした。

クヴァラヤーナンダは伝統的なヨーガの技法であるアーサナ(Asana)、プラーナーヤーマ(Pranayama)、ムドラー&バンダ(Mudra & Bandha)、クリヤ(Kriya)、瞑想法(Dhyana)の生理学的・心理学的な効果を科学的に研究し、ヨーガが一般社会へ応用される方向性を確立した人物です。近代ヨーガの幕開けです。

それ以来、ヨーガは健康で生産的な生活を保証してくれる応用範囲の広い知識として、世界のあらゆる国々への浸透が進んでいます。